Cart 0

ワークジャケット考察

 今期、新しく入荷したイギリス🇬🇧N-EM-CEEのワークジャケット。数色展開がある中、私が愛して止まない茄子紺をセレクトしました。世の中にワークジャケットは本気のものからおしゃれ用のものなど数はあれど、なかなか大人にしっくりくるものを見つけるのが難しいアイテムでもあります。ビンテージものの定番、モールスキンの分厚さはすごく好きだしかっこいいとも思うけれどもう馴染ませるパワーがない。(多分、買ったとしてもガシガシの生地感が苦しくてきっと袖を通さなくなるのが目に見えているし、色落ちして馴染んだビンテージはコーディネート難易度が高い) と言いながら、つい古着屋さんに行くとワークジャケットをチェックしてしまうんですけどね。で、このN-EM-CEEのワークジャケットがなぜ大人向きなのかと言うと、まず生地が柔らかく上質であること。洗濯してもほぼ色落ちなく、長く愛用できます。それから縫製、裏側の処理がロックミシンではなく綿テープを重ねてミシンで叩いてあります。数年前に買ったイギリス製のワークコート、手頃な値段(今回のジャケットの1/4くらい)だったので、ま、いっかと買ったものなのですが、それと比較するとやっぱり全然違います。ポケットの補強のためのミシンステッチだったり、ぱっと見では気付かない細やかな差が歴然とあり、こういうところに価格差が出ているのだなぁと。円安の影響もあり決して安いものではありませんが、大人に愛用してほしいワークジャケットです。ぜひお試しください!

所有→共有

某美術館に貸し出ししていた私物の作品が手元に戻ってきました。展示は大盛況だったようで、沢山の方がご覧になられたとのこと。身近にある作品が展示空間に佇むいつもと異なる様子に、我が子の成長を見るような少し誇らしい気持ちになりました。

 

『絶対』と断言できることが世の中にほとんどない中、今確実に言えるのは『人はいつか必ず死ぬ』ということ。この世に生まれてきたのは偶然か必然か?その辺りは神のみぞ知ることですが、早かれ遅かれ死は必ず皆平等に訪れます。その時には何も持っていけないんだなぁと思うといろんな執着心や欲望が馬鹿らしくもなるのですが、私はまだ無我の境地には辿り着けず、何かいいものないかなと探したり、買い物するのがやっぱり好きだしまだまだ楽しいのです。でも欲望のまま買い続けるのとは違う次の段階にいることはわかります。今回作品を貸し出すという、所有することから共有することへの経験から気付きがありました。

 


あぁそうだ、これからは次に託せるものを所有すればいいんだ。服だったら将来、ビンテージのお洋服やさんに並ぶもの。作品だったら美術館でみんなに観てもらえるのがいいけど、無名であってもなんかいいよね、と古い食器と一緒に並べてもらえるもの。いつの時代も探している人がいる美しい本。建築物に見える完璧なバランスの椅子。そんなものを見つけたいし所有したいしお店で提案したいな。そうなると、もの選びのハードルが必然的に上がることになりましたが、所有のその先が見えた気がして少し気持ちが明るくなりました。

灯台下暗し

年始恒例になりつつある、年内に売れなかったら自分が着ますシリーズ。展示会では基本的に私が好きなものしか選んでいません(当然ですが)。どうしても自分が着たいなと思うものは2点オーダーしていたのですが、数シーズンを経て意外と残るケースがある、ということに気付きました。なので、特に高額商品の場合はオーダーを1点に絞り、しばらく様子を見ることに。で、残ったら「じゃあ私着ますね」と持って帰る笑。2023年はお客様にもよく言っていたので覚えている方もおられるかと思いますが、BLESSのクルエラコートを無事ゲットしました。何で売れなかったのか?すごくいいのにな〜と残念な半面、着出すとむちゃくちゃよくて、BLESSやっぱりいいじゃん!自分の店にこんな素晴らしいものがあるってほんとに幸せなこと!と再認識しました。

 

もう一つ、魅力を再確認したものがリチャードジノリのお皿です。先日、確定申告の数字の打ち込みでキーッとなった私は美しいものでも見てクールダウンしたくなり、古いものが並ぶお店へ出掛けました。そこでフランスの古いぽってりとしたお皿に心奪われ、1枚大事に抱えて帰りました。店主との会話で厚みのある器っていいよねとすっかり感化されて、帰ってからもあれこれ見ているうちに、そういえばお店にあるリチャードジノリの食器って無地だし厚みもあってぽてっとしてていいんじゃない?と。早速、24cmのプレートを使ってみたらこれが最高じゃないですか!何で今まで気付かなかったんだろう。毎日、お店で見ていると目が慣れて風景の一部になってしまうんだな。灯台下暗し、とはこのこと。LUCAには素敵が溢れております。

2023もお洒落いたしましょう

2023年が始まりました。本年もどうぞよろしくお付き合いくださいませ。

 

年明け早々に『李禹煥』展を観に行きました。あまり情報を持たずして出掛けたので、作品を拝見してすごくセンスのいい方なんだという漠然とした印象を持ち帰りました。今回は、観覧中に自分のiPhoneで中谷美紀さんによる解説を聞ける(なんと無料ですよ!)という画期的で素晴らしい提案付きで、もちろん聞きますとも!とiPhone片手にいそいそと会場へ。が、自宅から運動を兼ねて30分ほど歩いて美術館へ向かったため、いかんせん暑い。マスク越しの眼鏡がくもるし、はいハンカチ、はいiPhoneとなかなかの忙しさで、途中とうとう着ていたBLESSのベストを脱いでバッグに押し込み、やっと落ち着きを取り戻してフムフムと鑑賞しました。

 

帰り道、偶然通りがかった古本屋さんでJosef Albersの古いポストカードを見つけたり、素敵なタイル張りの高架下を見つけて気を良くした私は、インスタに今日の感想をちらりとアップ。するとしばらくして存じ上げない方から「美術館でお見かけしました!BLESS素敵」というコメントが来て、超びっくり!展示会場では先に書いたように結構なグダグダぶりだったので、何か粗相していなかっただろうか、と変な汗が出そうになりました(苦笑)。『人の格好なんて誰も見てないから頑張らなくていいんだ、適当でいいんだ』みたいな記事を時々見かけますが、あれは嘘です(笑)。BLESSの洋服がそれだけ目を惹く力を持っていることは確かです。でも、纏うことによって新しい出会いや仕事に繋がる可能性も大いに秘めているわけです。私はこれが好きなんだ、と知ってもらう方法のひとつとして、クローゼットの中の一軍を纏って出掛けることって有効な手段なんだなぁと新年早々実感した出来事でした。というわけで、2023年も皆さま頑張ってお洒落いたしましょう。きっといいことありますよ。私も気を抜かずに(何処で誰に出会っても大丈夫なように笑)お洒落に励むぞー!李禹煥展、もう一度行こうかと思っています。

建築的に着る

TUKIのコーデュロイパンツ、今期はイエローをセレクトしました。元々、黄色は好きな色のひとつで展示会で見た時から「これだ!」と他の色は目に留まらず、潔くイエロー一択。入荷してから早速どうやって着よう?とあれこれ鏡の前で1人ファッションショーを開催しました。ネイビーとは想像通り🆗、意外だったのは茶系との相性がとてもよいということ。今まで着こなし切れていなかった茶色が俄然輝いて見えて、グッとコーディネートの幅が広がりました。そして、最後にブラック。強い色同士なのでどうかな、と思いましたが、これがやっぱりとてもいい。建築的な、インテリア的なカラーリングと言うのでしょうか、バウハウスを彷彿とさせるパキッとした雰囲気が何とも好きな感じ。グレーを少し足してみるとよりバウハウス(笑)。インテリアのカラーリングは身に着けるものでも応用できるんだ、ということを気付かせてくれたイエローパンツでした。

 

ちなみに、今期のコーデュロイパンツ、2種あります。どちらもよかったので両方取りました。高身長の方にはボリュームがあり、丈が長めのベイカーパンツを、低身長の方には比較的スッキリしたシルエットで丈が短めのショートトラウザーズがおすすめです。

« 前 1 3 4 5 6 7 8 次 »